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中国の会計制度概要

中国においては、現在、2種類の会計制度が並存している。1993年に「企業会計準則」が制定され、2000年には「企業会計準則」の内容を包括する統一的な規定「企業会計制度」(以下、「旧準則」とする)が制定された。従来はこの旧準則によって会計制度が規定されていたが、2006年に新たな「企業会計準則」(以下、「新準則」とする)が制定された。この際、新準則は上場企業にのみ強制適用となり、その他の企業に対しては適用が推奨されるにとどまったため、新旧準則が並存することとなった。なお、「新準則」を選択すると、それ以降「旧準則」を適用することができない。

また、「新準則」は、おおむね「国際財務報告基準」(以下、「IFRS」とする)との統合が図られている。しかし、中国特有の事情もあることから一部の会計処理については「IFRS」とは異なる処理が規定されている。

旧準則・新準則・IFRS・日本基準の相違

日本法人に影響がある項目は限られているため、以下では、重要性の高い項目について解説する。

(1) 棚卸資産の評価

棚卸資産の評価方法について「旧準則」では個別法、先入先出法、平均法、後入先出法の4種類の選択適用が認められている。この中から「新準則」では、後入先出法が除外され、残りの3種類から選択することとなっている。「IFRS」、「日本基準」とも「新準則」と同様である。
評価基準は「旧準則」「新準則」「IFRS」「日本基準」ともに低価法である。期末時には原価と時価を比較していずれか低い方により評価する。

(2) 固定資産の評価

(投資不動産除く。減損については(4)に別途記載。)
「旧準則」では取得原価で評価する。「新準則」「IFRS」「日本基準」では、資産除去債務を取得原価に含め、負債に計上する。なお、「IFRS」では、再評価モデルの選択適用も認めている。

(3) 無形資産の評価

(投資不動産除く。減損については(4)に別途記載。)
「旧準則」「新準則」「IFRS」「日本基準」ともに取得原価で評価する。なお、「IFRS」では、再評価モデルの選択適用も認めている。
また、研究開発費については、「旧基準」「日本基準」は原則として費用処理するが、「新基準」「IFRS」では一定の要件を満たす開発費については資産計上が認められている。

(4) 資産の減損

「旧準則」「新準則」「IFRS」「日本基準」ともに減損会計が導入されている。「旧準則」「新準則」「日本基準」は資産のいかなる減損の戻入は禁止しているが、「IFRS」はのれんの減損の戻入のみを禁止している。

(5) 政府補助金

「旧準則」では資本剰余金に計上する。「新基準」では資産と関連する政府補助金を繰延収益として認識し、関連資産の使用期間内に均等配分して損益に計上する。また、「IFRS」では「新基準」の処理方法に加え、補助金を当該資産の帳簿価額から控除する方法も認められている。
一方、「日本基準」では、即時収益認識又は圧縮記帳等の会計処理が行われている。

(6) 借入費用

「旧準則」「新準則」では、資産の購入や生産に直接関連付けることができる借入費用は、当該資産の原価に含めなければならない。借入費用の資本化の対象となるのは「旧準則」では固定資産のみであるが、「新準則」では投資不動産や棚卸資産も含まれる。「IERS」も「新準則」とほぼ同じ内容である。
一方、「日本基準」では、自家建設の有形固定資産に限定して資産化が認められいるだけである。

(7) 所得税

税効果会計は「旧準則」では任意適用であるが、「新準則」「IFRS」「日本基準」では強制適用される。また、「旧準則」では一時差異に関連する税金費用について繰延法・資産負債法を選択適用できるが、「新準則」「IFRS」「日本基準」では資産負債法の適用のみである。繰延税金資産の回収可能性については、「新準則」「IFRS」「日本基準」において、それぞれ要件が定められており、会計事務所等の専門家に相談することが望ましい。

日本における連結

現在、「日本基準」においては、連結財務諸表について、原則として親会社と子会社との間での会計基準の統一が求められている。ただし、在外子会社の財務諸表が「IFRS」又は「米国会計基準」に準拠して作成されている場合には当面は当該財務諸表を連結することが認められている。そのため、中国の現地法人の連結にあたっては、「旧準則」「新準則」により作成した財務諸表を「IFRS」に準拠した財務諸表に組み替えるのが一般的である。

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