[実務入門] (39) 利益処分

[2012年7月4日]

前回まで主に費用項目について説明をしてまいりました。今回は利益処分について簡単に説明します。

2006年1月1日施行の会社法の第167条に、以下の記載があります。

会社は、当年の税引後利益を分配するとき、利益の10%を会社の法定準備金*として積み立てなければならない。会社の法定準備金の累計額が会社の登録資本金の50%以上である場合、新たな積み立てを必要としない。

会社の法定準備金が過去の年度の会社の欠損を填補するのに不足する場合、前項の規定により法定準備金を積み立てる前に、当年の利益をもって欠損を填補しなければならない。

会社が欠損を填補し、準備金を積み立てた後の剰余利益は、有限責任会社の場合本法第35条の規定に従って分配し、株式会社の場合は株主の保有する株式の比率により分配する。但し、株式会社定款が株式保有の比率によらずに分配することを定めている場合はこの限りでない。

会社が保有する自己株式は利益を分配してはならない。

本記事は、現在NNA.ASIAで連載中の「ここに注目!中国会計・税務実務入門」を転載したものです。

※この規定により積み立てられた準備金は、貸借対照表上「利益剰余金」 3121―法定利益剰余金(旧企業会計準則・企業会計制度)として表示されます。

上記にある会社法第35条では「株主は、出資比率に基づき配当金を受ける」という規定があります。

【例1】
登録資本金1,000、法定準備金0、欠損300 
税引後当期利益 500 の場合

  1. 当期利益500のうち、欠損填補に300を充当します。
  2. 残った200のうち、法定準備金の積み立てに200×10%=20を充てます。
  3. 他の積み立てを行わない場合、残りの180について、配当が可能です。

【例2】
登録資本金1,000、法定準備金450
税引後当期利益 1,000 の場合

  1. 当期利益のうち、法定準備金の積み立てに1,000×10%=100を充てますが、法定準備金は1,000×50%=500以上については積み立てを必要としないので、500-450=50の積み立てで十分となります。
  2. 他の積み立てを行わない場合、残りの950について、配当が可能です。

なお法定準備金ですが、会社法第169条に「会社の準備金は、会社の欠損の填補、会社の経営生産の拡大、または会社の資本への組み入れに用いるものとする。」とあります。条文中の「会社の経営生産の拡大」につきましては、とりたてて解釈があいまいなようです。

次回はキャッシュフロー計算書(現金流量表)について説明をいたします。

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