[実務入門] (33) 原価計算 (2)

[2012年3月18日]

前回は原価と費用の違いについて説明し、「旧」企業会計準則・企業会計制度の取り扱いについて確認しました。今回は、「新」企業会計準則上の取り扱いについて確認します。

「新」企業会計準則上、以下のように規定されています。

  • 企業の製品の生産、役務の提供等のために発生した製品原価、役務原価等に帰属させることのできる費用については、製品の売上、役務収益の認識時点において、販売した製品原価、提供した役務の原価を当期の損益に計上しなければならない。
  • 棚卸資産の購入原価には、購入代価、関連税金、運輸費、荷役費、保険料その他棚卸資産の購入原価に帰属させることのできる費用が含まれる。
  • 棚卸資産の加工原価には、直接人件費及び一定の方法により配分された製造費用が含まれる。
  • 製造費用とは、企業が製品を生産及び役務を提供するために発生する各間接費用をさす。企業は製造費用の性質に基づき、製造費用の配賦方法を合理的に選択しなければならない。

ところで、税務上はどのような費目を製品原価に含めるべきか、という点について直接の言及はありません。

本記事は、現在NNA.ASIAで連載中の「ここに注目!中国会計・税務実務入門」を転載したものです。

ここで、「配賦」について簡単に考えます。実際配賦を前提としますと、実際に発生した製造間接費(または直接労務費と製造間接費の合計である加工費)を一定の配賦基準に従って配賦するわけですが、この会計処理は万能ではありません。

【例】A社では単一の製品を製造しており、各月の生産量、月初・月末製品数量及び発生原価要素は次の通りであった。なお、月初・月末に仕掛品はない。

12月製品原価単価 (100万元+100万元)÷10,000=200元/個
1月製品原価単価 (50万元+100万元)÷5,000=300元/個

1月に製品原価単価が増加した要因は、1月の操業度が減少したにもかかわらず、固定費的に加工費が発生しているからだと理解できます。
この欠点を補うため、直接原価計算を併用する原価管理方法が考えられますが、ここでは解説を省略します。

ところで、中国ではこれまで解説しておりますように、本格的な原価計算規定が存在していないため、中国財政部主導で本格的な原価計算制度の研究を行い、2012年2月に財政部会計司がパブリックコメントを募集しています。近い将来おそらくは第12次5カ年計画中に原価計算制度が公布され、施行されるものと思われます。

次回も実際の例をあげて、原価計算の基本的な考え方を確認したいと思います。

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