[実務入門] (14) 棚卸資産 その1

[2011年6月17日]

前回は、会計処理マニュアルの無形資産のポイントについて説明しました。今回からは棚卸資産のポイントについて説明したいと思います。棚卸資産とは、日常業務では在庫とも呼ばれ、会社が販売する目的で一時的に保有している 商品・製品・原材料・仕掛品などの総称をいいます。棚卸資産は、実際に存在しているかどうかという点が最も重要ですが、その評価もポイントとなってきます。

(1) 定義

棚卸資産とは、企業が通常の日常活動において、販売を目的として保有する完成品または製品・商品、製造過程にある仕掛品、製造過程または役務の提供過程にあたって消費される材料および部材等になります。

(2) 取得原価

購入した棚卸資産については、購入価額に関連税金費用、運送費、荷役費、倉庫費、保険料等の費用と棚卸資産の購入原価に帰属させることができるその他の費用を加えたものを取得原価とします。
自社製造の棚卸資産は、製造過程における各種の実際支出を取得原価とします。
外部に委託加工して完成した棚卸資産は、実際に費消した原材料または半製品および加工費、運送費、荷役費および保険料等の費用、規定により原価に計上すべき税金を取得原価とします。
ただし、以下のような費用は、棚卸資産の原価に計上せず、発生時に当期損益として認識しなければなりません。

  1. 非正常的に消費される直接材料費、直接労務費、製造費用
  2. 保管費用(製造工程中、次の製造工程に移る前に必要な保管費用は含まない)
  3. 棚卸資産が現在の場所および状態に至るまでの支出に帰属することができないその他の支出

(3) 評価方法

払出または出庫した棚卸資産は、先入先出法、総平均法、個別法等を採用して実際原価を確定させなければなりません。性質と用途が類似している棚卸資産に対しては、同じ評価方法を採用し払出された棚卸資産の原価を確定する必要があります。

(4) 実地棚卸

棚卸資産については、定期的または少なくとも年1回は棚卸を実施しなければなりません。在庫の管理状況や保管状況を明らかにし、長期滞留在庫・陳腐化品・不良品の把握をタイムリーに行うためには、月次で行うことが望ましいと考えられます。
実地棚卸の数量・残高と帳簿記録が一致しない場合、差異原因を究明するとともに、株主総会、董事会、またはしかるべき権限者が内容を確認のうえ、承認する必要があります。
棚卸差損は、経常的に発生するものは管理費用として計上しますが、非経常的な損失に属する場合は、営業外支出に計上します。
また、税務上ですが、棚卸差損を税引前に控除するためには、要件が別途規定されているため注意が必要です。具体的には、税務上の控除を行うためには、会計上の損失処理が行われていることが前提となり、別途、税務機関に関連資料を提出し申告を行わなければなりません。

次回は、棚卸資産のポイントについての説明を予定しています。

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