金融庁が、「IFRSに関する誤解」を公表

[2010年4月23日]

金融庁が、国際財務報告基準(IFRS)について、「誤解」と思われる事例を集めた「国際会計基準(IFRS)に関する誤解」を公表した。以下に主要な論点を要約した。

◆ 上場企業は直ちにIFRSが適用されるのか。

直ちに適用されるわけではない。10年3月期から、一定の要件を満たす上場企業の連結財務諸表において、IFRSが任意適用できる。2012年を目処に上場企業の連結財務諸表への強制適用の是非を判断することになっている。

◆ 全面的なITシステムの見直しが必要か。

既存システムの見直しは必ずしも必要ではなく、IFRSを適用するために必要な範囲で、システムの見直しを行えばよい。

◆ 監査人の対応が厳しくなるのではないか。

IFRSはプリンシプル・ベース(原則主義)であるが、監査人の対応が厳しくなるわけではない。プリンシプル・ベースのIFRSに基づく財務諸表を作成できる体制を整備し、会計処理の考え方等を自ら説明することが重要となる。

◆ 財務諸表は英語でも作成する必要があるのか。

IFRSになっても、我が国企業の財務諸表は、英語で作成する必要はない。我が国企業の有価証券報告書に記載される財務諸表は、日本語で作成されたものを提出することになっている。

◆ 監査は大手監査法人でないとできないのか。

IFRSになっても、監査上の判断については、日本の法令や監査基準に基づいて我が国の監査人が行うものであり、国際的な提携をしている大手監査法人でなければ監査ができないということはない。大手監査法人以外の監査法人や公認会計士についても、日本公認会計士協会が研修や情報提供などの支援をしている。

◆ 監査は大手監査法人でないとできないのか。

IFRSになっても、監査上の判断については、日本の法令や監査基準に基づいて我が国の監査人が行うものであり、国際的な提携をしている大手監査法人でなければ監査ができないということはない。大手監査法人以外の監査法人や公認会計士についても、日本公認会計士協会が研修や情報提供などの支援をしている。

◆ IFRSは徹底した時価主義なのではないか。

IFRSにおいて、公正価値(時価)で評価しなければならない範囲は、現行の日本基準と大きくは異ならない。

◆ IFRSでは、利益の表示が当期純利益から包括利益のみに変わるのではないか。

IFRSでも、当期純利益が表示され、業績把握のために重要なものであることには変わりはない。IFRSによる包括利益計算書では当期純利益及び当期の純資産額(増資等資本取引を除く)の変動を表す包括利益の双方が表示されるが、当期純利益が業績把握のために重要な指標であることには変わりはない。

◆ 売上の計上にあたり、IFRSを導入すると出荷基準が使えなくなり、期末はすべての着荷や検収の確認をしなければならないのか。

現在の日本基準は実現主義であり、現在のIFRSの収益認識基準(リスクと便益の買主への移転)に照らし合わせても、ほぼ同様の結果となることが多い。例えば、取引の形態によっては、着荷や検収の事実を一々確認しなくても、出荷の事実をベースに、配送に要する期間等を考慮して、合理的にリスクと便益の移転が認められる場合、その時点で売上の計上ができる場合がある。いずれにせよ、プリンシプルに照らして、個々具体的な事例に即して適切に判断することとなる。

原文

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